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屋号付き口座おすすめ7行|個人事業主の比較と選び方

公開 2026-09-13
※本記事にはプロモーション(広告)を含みます。

屋号付きの事業用口座は、どこで作っても同じではありません。 差が出るのは、振込手数料よりむしろ「開設時に出せる書類」と「外貨を受け取れるか」です。

この2つで、開業直後の物販・越境ECの読者は高い確率でつまずきます。 本記事は各社の公式サイトで確認できた事実だけを並べ、確認できなかった点はそのまま「未確認」と書きました。

この記事の位置づけ

先に、この記事がどういう性質のものかをはっきりさせておきます。

筆者はここで紹介するサービスを契約していません。 そのため本記事は、各社の公式サイトで確認した事実の整理として書いています。

  • 料金・条件: 各社公式サイトで確認(2026年9月13日)
  • 確認できなかった項目は「公式サイトに記載なし」と明記しています
  • 体験にもとづく評価は含みません

なお、本記事で扱っていない選択肢もあります。 りそな銀行・信用金庫・WorldFirst・Airwallex・Stripe などは今回調べていません。

結論:屋号付き口座の早見表

個人事業主が屋号付きで開設できる主な7行を、判断に効く4点で並べます。 金額はすべて税込・1件あたりです(2026年9月13日時点・公式サイトで確認)。

口座屋号付き名義他行宛の振込海外からの外貨受取申込方法開設までの目安
GMOあおぞらネット銀行 個人事業主口座可(3形式)100円公式サイトに記載なし(外貨預金8通貨の保有は可)Web完結最短当日〜1週間程度
PayPay銀行 ビジネスアカウント可(屋号+個人名)145円取扱なし(国内からの米ドル受取のみ)Web最短当日
楽天銀行 個人ビジネス口座可(3形式)150円/3万円以上229円可(受取2,450円・7通貨)Web+書類の郵送返信用封筒の到着に3〜7日+郵送
三菱UFJ銀行154円/3万円以上220円本記事では未確認店頭のみ来店後、約1週間でカード到着
三井住友銀行条件つきで可公式サイトで確認できず本記事では未確認店頭(来店2回)1回目の来店後、確認に2週間程度
みずほ銀行公式サイトで確認できず本記事では未確認店頭のみ当日開設ではない
ゆうちょ銀行条件つきで可(振替口座の「別名」)165円(※1)本記事では未確認窓口審査は平均1か月程度

※1 ゆうちょ銀行の165円は公式FAQの検索結果で確認した値です。ページ本体を開いて確認できていないため、申込前に公式サイトでご確認ください。

結論を3行でまとめます。

  • 振込コスト最優先・国内完結 → GMOあおぞらネット銀行(他行宛100円)
  • 海外からの外貨を受け取りたい → 楽天銀行 個人ビジネス口座(受取2,450円)
  • 開業届しか手元にない → PayPay銀行(開業届の控えが書類要件に明記されている)

この2つは個人事業主が屋号付きで開設できません

比較記事でよく並ぶ2つですが、公式サイトの記載はこうです。

ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)

団体名、および屋号を使用した名義での口座開設は承っておりません。

出典: 公式FAQ https://help.netbk.co.jp/faq_detail.html?id=773 (2026年9月13日確認)

屋号付き口座そのものが作れません。 外貨受取は10通貨と幅広いのですが、名義を分けたい人の選択肢にはなりません。

ラクスルバンク

法人(非課税法人を含む)の方がお申し込みいただけます。

恐れ入りますが、個人・個人事業主の方は口座を開設いただけません。

出典: https://raksulbank.com/for-all-small-businesses/ (2026年9月13日確認)

他行宛119円と条件は良いのですが、法人限定です。 法人化した段階で改めて検討する対象になります。

選び方の4つの基準

屋号付き口座は「手数料が安い順」で選ぶと失敗しやすい領域です。 判断材料は次の4つに絞れます。

1. 他行宛の振込手数料は「月間」で見る

物販は仕入先・外注先への振込件数が多くなります。 1件あたりの差が小さく見えても、件数を掛けると差が開きます。

また、3万円を境に金額が変わる銀行があります。 仕入の送金は3万円以上が常態になりやすいので、高いほうの区分で試算してください。

口座3万円未満3万円以上
GMOあおぞらネット銀行100円100円(一律)
PayPay銀行145円145円(一律)
楽天銀行 個人ビジネス口座150円229円
三菱UFJ銀行(ダイレクト利用時)154円220円

(2026年9月13日時点・公式サイトで確認/いずれも税込)

2. 事業実態をどの書類で示せるか

ここが最大の分かれ目です。 同じ「開業届」でも、受け付ける銀行と受け付けない銀行があります。

3. 外貨を受け取れるか、海外へ送れるか

越境ECなら、これが実質的に選択肢を絞ります。 受け取れることと送れることは別問題です。

4. 申込方法と開設までの日数

メガバンク3行は店頭のみです。 会社員の副業なら、平日日中に店舗へ行けるかが先に決まります。

主要7行の詳細

ここからは各行の具体的な条件です。 金額はすべて税込、確認日は2026年9月13日です。

GMOあおぞらネット銀行 個人事業主口座

振込コストを最優先するならここが基準になります。

  • 口座維持手数料: 0円
  • 振込: 当行宛て無料/他行宛て100円
  • 提携ATM: 入金110円・出金110円
  • 組戻880円/各種証明書発行880円/カード再発行(紛失等)1,100円
  • 屋号付き名義: 「氏名のみ」「氏名+屋号」「屋号+氏名」の3形式から選択
  • 審査: マイナンバーカード読取または自撮り動画なら最短当日、書類アップロードなら1週間程度

他行宛100円は、本記事で調べた銀行9行のうち、個人事業主が開設できる口座では最も低い水準でした。 自社調査です(2026年9月13日・各社公式サイトで確認)。 同行の「振込料金とくとく会員」は他行宛99円ですが法人向け、ラクスルバンクの119円は法人限定のため、この比較からは外しています。

外貨普通預金を8通貨持てる点も物販向きです。 為替手数料(片道)は次のとおりです。

通貨為替手数料(片道)
米ドル4銭
ユーロ10銭
英ポンド18銭
豪ドル14銭
NZドル13銭
カナダドル13銭
スイスフラン15銭
南アランド9銭

外貨預金には為替変動があり、円に戻したときに元本を下回ることがあります。

注意点を2つ。 振込手数料の優遇サービス「振込料金とくとく会員」(月額500円・他行宛99円)があります。 ただし公式LPには「法人のお客さま向けサービス」と明記されています。

もう1つは海外送金です。 海外送金サービスは法人向けとして案内されており、個人事業主口座の商品一覧には含まれていません。 ただし「個人事業主は利用できません」という明示の文言は確認できませんでした。

PayPay銀行 ビジネスアカウント(個人事業主・屋号付き)

書類要件が明快で、開業届の控えがそのまま使えます。

  • 口座維持手数料: 無料。ただし公式に注記あり → 「2年以上ご利用のない個人事業主口座は、未利用口座管理手数料がかかります」
  • 振込: 同行宛て0円/他行宛て145円
  • ATM: 3万円以上の入出金で無料(3万円未満は有料)
  • 口座名義: 屋号+個人名
  • キャッシュカード: Visaデビット一体型

新規開設者向けに「口座開設の翌々月まで 他行宛の振込手数料が月5回 0円」という特典が公式ページに記載されています。 特典の終了後は1件145円に戻ります。

事業実態確認資料は、公式に3つだけが挙げられています。

  1. 個人事業の開業等届出(e-Taxならメッセージボックスの「メール詳細」受信通知画面/窓口・郵送なら開業・廃業等届出書(控用)の原本)
  2. 公的機関発行の各種営業許可証
  3. 所得税及び復興特別所得税の確定申告書(第一表)控用の原本

公式には「上記の資料がご用意いただけない場合、口座開設はできません」と書かれています。 銀行取引記録や公共料金の領収書は選択肢に入っていません。

越境ECには構造的に弱い点も押さえてください。

海外の銀行へのお振り込み(外国送金)は取り扱っておりません。

外貨受取サービスも、国内の金融機関からの米ドルのみが対象です。 海外の銀行やPayoneerの海外拠点からの着金には使えません。

なお提携サービスの「PayForex」はQueen Bee Capital社の提供です。 PayPay銀行のサービスではありません。

楽天銀行 個人ビジネス口座

海外からの入金を正面から受けられる、数少ない屋号付き口座です。

  • 口座維持手数料(年額): 無料
  • 振込: 楽天銀行宛て52円/他行宛て3万円未満150円・3万円以上229円
  • ATM: みずほ銀行・セブン銀行・イオン銀行・PatSat は入出金各220円、イーネット・ローソン・三菱UFJ銀行・ゆうちょ銀行は各275円
  • 海外送金の受取手数料: 2,450円(送金金額にかかわらず1取引あたり)
  • 受取通貨: 米ドル・ユーロ・豪ドル・英ポンド・NZドル・南アランド・日本円
  • 海外への送金: 1,000円+円貨送金手数料(リフティングチャージ)3,000円+中継銀行手数料1,000円(送金人負担を選んだ場合)
  • 組戻し・照会・変更: 各3,000円/初期導入手数料・月額使用料: 0円

開設条件は4つすべてを満たす必要があります。

  1. 楽天銀行の個人口座を開設済み(未開設なら先に個人口座から)
  2. 申込時点で満18歳以上
  3. 個人でビジネスを営んでいる
  4. 楽天銀行所定の審査基準を満たす

名義は「屋号+氏名」「氏名+屋号」「氏名のみ」の3形式です。 屋号のみでの開設はできません。

書類は郵送です。 返信用封筒の到着に3〜7日程度かかり、申込から180日以内に書類が届かないと申込は取り消されます。

デメリットもはっきりしています。 受け取った外貨は、そのままでは国内外への外貨建て送金に使えず、外貨のままATM出金もできません。

三菱UFJ銀行(屋号付き個人口座)

メガバンクの信用力が要る段階の選択肢です。

  • 屋号付口座の開設は「店頭でのみお手続きいただけます」
  • 窓口の営業時間: 平日9:00〜15:00
  • 必要なもの: 届出印(シヤチハタ印は不可)、本人確認書類、営業実態確認書類
  • 来店後、約1週間でキャッシュカードが簡易書留で到着
  • 三菱UFJダイレクト利用時の他行宛て振込: 3万円未満154円/3万円以上220円
  • 当行宛ては三菱UFJダイレクト利用で無料(3万円未満・以上とも)
  • 口座維持手数料は本記事では未確認

営業実態確認書類の具体的な受理範囲は、公式ページでは「営業実態確認書類」としか書かれていません。 自宅兼事務所・ネット完結の物販では用意しにくい可能性があるため、来店前に支店へ確認してください。

三井住友銀行(事業用・屋号付き個人口座)

来店が2回必要な点を先に知っておく価値があります。

  1. 1回目の来店 … 申込書の記入
  2. 銀行での確認に2週間程度
  3. 2回目の来店 … 口座開設の手続き

申込時に用意するものは4点です。

  • 本人確認書類
  • 事業実態が確認できる書類
  • 開廃業等届出書(届出が不要な業種は除く)
  • 事業に関する許認可証(不要な業種は除く)

屋号を付けたい場合の条件が公式に明示されています。 事業実態確認書類・開廃業等届出書・許認可証に屋号の記載がない場合です。 このときは屋号が確認できる書類(国税・地方税・公共料金の領収書等)を別途用意します。

さらに、公式に次の制限があります。

  • 事業目的の口座開設は原則1口座のみ
  • 貯蓄目的等で開設済みの口座を、事業性資金の決済に使うことはできない

屋号付き事業用口座の振込手数料・口座維持手数料は、公式ページで確認できませんでした。

みずほ銀行(営業性個人=屋号付き個人・個人事業主口座)

ランニングコストの落とし穴がある1行です。

  • 開設は「法人口座開設ができる店舗」で。「インターネットからはお申込いただけません」
  • 個人のお客さま専用店舗(みずほライフデザインプラザ)では手続き不可
  • 必要なもの: 本人確認書類/印鑑(シャチハタ不可)/営業事実確認書類
  • 初回来店時に口座開設の理由・利用目的のヒアリングあり。当日開設ではない

営業事実確認書類の例が公式に幅広く列挙されている点は利点です。

個人事業の開業届出書の控え、確定申告書、事業に関する許認可証、屋号付き個人名義の国税・地方税の領収書、公共料金の領収書、事務所等の賃貸契約書、ウェブサイトや事業内容説明資料

ウェブサイトや事業内容説明資料まで含まれるため、ネットショップ主体でも書類を揃えやすい可能性があります。

一方で、見落としやすいコストがあります。 屋号付き口座では個人向けの「みずほダイレクト」が使えず、法人向けの「みずほビジネスWEB」の契約が必要です。

申込月から当初3ヵ月間は無料で、4ヵ月目から課金されます。 月額基本料金の具体額は、公式ページ本体を取得できず本記事では確認できませんでした。

なお公式に「事業用の口座と生活費等消費用の口座は分けて作成いただく必要があります」と明記されています。

ゆうちょ銀行(事業用途の個人名義口座/振替口座)

書類要件が今回調べたなかで最も重い1行です。

開設できるのは、次のいずれかを満たし、かつ事業用途の個人名義口座をまだ持っていない人に限られます。

  1. 現に屋号等で個人事業を営んでいる
  2. 個人事業による所得が一定額以上ある(給与ありで20万円以上、給与なしで48万円以上)

提示・提出を求められるのは6項目です。

#書類
1開業届出書(控用)または開業届出済証明書
2事業実施の確認書類(税務領収証、賃貸契約書など)
3個人事業の収入と支出が確認できる書類(確定申告書など)
4事業内容資料(ホームページ、契約書など)
5許認可証(該当する事業のみ)
6顔写真付きの本人確認書類

審査は貯金事務センターで行われ、平均1か月程度かかります。

屋号については、振替口座であれば別名として登録できます(審査あり)。 「屋号名で活動していることが確認できる資料」の提出が条件です。 ただし別名と口座名義は並列表記で、別名(屋号)のみの表記はできません。

開業1年目で3番の書類が出せない読者は、ここで止まる可能性が高い構成です。

越境EC・物販の外貨をどこで受けるか

外貨は「銀行で受ける」か「決済サービスで受ける」かで話が変わります。 まず前提を1つ。

Wise・Payoneer・PayPalは銀行ではなく資金移動業者です。 預金保険(ペイオフ)の対象外なので、銀行口座の代わりとしては扱えません。

銀行側の対応状況

口座海外からの受取海外への送金
楽天銀行 個人ビジネス口座可(2,450円/7通貨)可(1,000円+リフティングチャージ3,000円+中継銀行手数料1,000円)
GMOあおぞらネット銀行 個人事業主口座公式サイトに記載なし(外貨預金8通貨の保有は可)海外送金は法人向けとして案内
PayPay銀行取扱なし(外貨受取は国内からの米ドルのみ)取扱なし
ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)可(10通貨)※屋号付き口座は不可個人は取扱なし

ドコモSMTBネット銀行の外貨送金受取は2026年4月16日に手数料が改定されています。

  • 日本円で受け取る場合: 入金額にかかわらず1回あたり3,500円
  • 5万通貨未満の受取: 35米ドル/35ユーロ/35英ポンド/35豪ドル/35NZドル/35カナダドル/35スイスフラン
  • 香港ドル・南アランドは50万通貨未満で350香港ドル/350南アランド
  • 5万通貨以上(香港ドル・南アランドは50万通貨以上)なら無料

ただし屋号付き口座は作れないため、屋号名義が目的なら選べません。

決済サービス側の条件

Payoneer(eBay輸出の売上金の着地点)

  • 日本の国内銀行口座への出金手数料はなし
  • SWIFT送金のような国際間手数料やランディングフィーは発生しない
  • 為替は「外国為替相場公表中値レートに 2%-1%加算」(1%はプレミアムサービス適用時)
  • 出金先の銀行口座は、個人アカウントならPayoneerの登録名と一致、ビジネスアカウントなら登録した会社名と一致していることが条件
  • 銀行口座の承認には最大3営業日程度

PayPal(海外顧客からの決済受け)

  • 標準振替は「3〜6営業日かかる場合があります」
  • 即時振替なら数分(最長30分)
  • 最低引き出し金額は251円
  • 通貨換算手数料は4.00%または3.00%
  • 出金額5万円未満は250円という案内がありますが、公式ページ本文では確認できませんでした
  • 出金先に登録できる銀行の制限についても、公式ページでは確認できませんでした

Wise(外貨の受取から海外送金まで)

  • 開設費・月額料金・年会費は無料
  • 法人アカウントは受取用の口座情報の取得に、最初の1通貨のみ3,000円(個人アカウントは無料)
  • 海外送金手数料は0.73%〜、為替はミッドマーケットレート
  • 21通貨での受け取り、40以上の通貨の保有に対応
  • 本人確認は通常1営業日程度

Wiseの料金は公式ブログ(2026年7月3日更新)で確認したもので、料金ページ本体では確認していません。 申込前に公式の料金ページでご確認ください。

開設で詰まりやすい3つの点

ここが本記事で最も実務に効くところです。 通説どおりに進めると弾かれるケースがあります。

1. 「開業届を出せば作れる」が成立しない銀行がある

GMOあおぞらネット銀行の必要書類は2段構えです。

種別提出できるもの
①個人事業主の確認書類(1点)個人事業開業届出書/事業開始等申告書/確定申告書第一表/行政機関発行の許認可証
②事業内容確認書類(1点以上・最大10点)締結済み契約書、事業内容が分かるホームページURL、請求書・発注書・納品書、会社案内・パンフレット・チラシ、提案書、事業計画書など

問題は②です。 公式に、次の書類は②として受け付けないと明記されています。

  • 個人事業開業届出書
  • 公共料金請求書
  • オフィスの契約書
  • 税理士・司法書士との契約書
  • 名刺・ホームページ作成の請求書 など

つまり開業届は①には使えても、②には使えません。 さらに②では「過去半年以上前に作成された書類」「日本語以外の言語で書かれた書類」も受け付けられません。

海外の仕入先との英語の契約書をそのまま出しても通らない、ということです。

2. 売上ゼロの段階で出せる書類がない

まだ1件も売れていない段階では、請求書も納品書も存在しません。

GMOあおぞらネット銀行の公式には、仕入や第三者との取引がある場合はその契約書等で対応できると記載されています。 第三者の関与(捺印、入出金履歴、やり取りの履歴など)が書類上に見えると確認がしやすい、とも書かれています。

この段階で書類が揃わないなら、要件が軽い口座を先に選ぶほうが現実的です。

  • PayPay銀行 … 開業届の控え・営業許可証・確定申告書第一表のいずれか1点
  • 楽天銀行 … 開業届/個人事業開始申告書/確定申告書第一表/各種許認可証のいずれか1つのコピー

3. e-Taxで出したので収受日付印がない

楽天銀行の公式ページには、令和7年1月から申告書の控えに収受日付印が押されないことを前提とした案内があります。 各行が案内している出し方は次のとおりです。

口座e-Tax提出の場合の出し方
楽天銀行送信データの印刷+受信通知メールの印刷。窓口提出なら、申請した開業届等に税務署名・申請日を記載したメモを添える
PayPay銀行税務署メッセージボックスの「メール詳細」受信通知画面

なお、口座開設の審査は不正利用の防止を目的としたものだと公式に案内されています。 書類の内容を偽って申告する行為は犯罪収益移転防止法に触れるため、正直に申告するのが結果的に最短です。

デメリットと、屋号付き口座が向いていない人

良い面だけ並べても判断できないので、弱点をまとめます。

口座主なデメリット
GMOあおぞらネット銀行事業内容確認書類のハードルが高い。開業届だけでは足りない。振込の優遇会員は法人向け
PayPay銀行海外への送金も海外からの受取も取扱なし。他行宛145円は本記事の比較では高め。2年以上未利用だと管理手数料
楽天銀行他行宛3万円以上229円は高め。書類の郵送が要る。楽天銀行の個人口座が先に必要。外貨のまま送金・ATM出金は不可
三菱UFJ銀行来店必須・平日日中のみ。営業実態確認書類の受理範囲が公式に明示されていない
三井住友銀行来店2回。屋号記載の納税・公共料金の領収書がないと屋号を付けられない可能性
みずほ銀行来店必須。みずほビジネスWEBの契約が要り、4ヵ月目から課金される
ゆうちょ銀行書類6項目。確定申告書が要るため開業1年目は厳しい。審査に平均1か月

屋号付き口座が向いていない人

  • 屋号名義にこだわらず、口座を増やしたくない人
  • まだ売上がなく、事業内容を示す書類が1点も用意できない人
  • 平日日中に動けず、それでもメガバンクを希望する人
  • 外貨の受け取りが主目的で、名義は個人名でも構わない人

最後の場合は、銀行口座より先に決済サービス側の設計を決めるほうが早いことがあります。

よくある質問

申込の直前に迷いやすい点をまとめます。

Q. 開業届の控えだけで屋号付き口座は作れますか。

銀行によって答えが違います。 PayPay銀行と楽天銀行は、開業届の控えが書類要件に明記されています。 GMOあおぞらネット銀行は、開業届を「事業内容確認書類」としては受け付けません。

Q. 会社員の副業ですが、勤務先に知られますか。

屋号付き口座の開設を勤務先へ通知するという案内は、今回確認した各行の公式サイトにはありませんでした。 ただし就業規則は会社ごとに異なるため、先にご自身の勤務先の規定をご確認ください。 税務上の取り扱いについては、詳細は国税庁のページをご確認ください。

Q. eBayの売上をPayoneer経由で屋号付き口座に出金できますか。

Payoneerは、出金先の口座名義が登録名と一致していることを条件としています。 ビジネスアカウントなら、登録した会社名との一致が条件です。 屋号付き名義の表記が一致するかは、申込前にPayoneerの公式ヘルプでご確認ください。

Q. Amazonやメルカリの入金先に屋号付き口座を登録できますか。

各プラットフォーム側の口座名義の要件は、本記事では確認していません。 口座名義の形式に制限があるという情報があるため、開設前に各プラットフォームの公式ヘルプでご確認ください。

Q. 海外の仕入先へ送金したいのですが、どの口座を選べばいいですか。

銀行ごとに答えが違います。

  • 楽天銀行: 対応(1,000円+リフティングチャージ3,000円+中継銀行手数料1,000円)
  • PayPay銀行: 取扱なし
  • GMOあおぞらネット銀行: 海外送金は法人向けとして案内

銀行の外で解決するなら、Wiseなどの資金移動業者が選択肢になります。

Q. 「口座維持手数料0円」はずっと0円ですか。

条件つきです。 PayPay銀行は「2年以上ご利用のない個人事業主口座は、未利用口座管理手数料がかかります」と公式に注記しています。 みずほ銀行は口座維持ではなく、みずほビジネスWEBの月額が4ヵ月目から発生します。

Q. 古物商許可がないと口座開設の審査で不利になりますか。

古物商許可の有無を審査基準とする記載は、今回確認した各行の公式サイトでは見当たりませんでした。 なお行政機関発行の許認可証は、書類の選択肢として使えます。 GMOあおぞらネット銀行・PayPay銀行・楽天銀行のいずれも、個人事業主であることの確認書類として認めています。 許可の要否は所轄の警察署(生活安全課)にご確認ください。

Q. 振込手数料は1件いくらで比べればいいですか。

月間の件数を掛けて比べてください。 3万円以上の区分がある銀行(楽天銀行229円、三菱UFJ銀行220円)は、高いほうで試算すると実態に近くなります。

まとめ

屋号付き口座は、手数料表よりも書類要件で決まります。

  • 他行宛の振込コストを下げたい → GMOあおぞらネット銀行 個人事業主口座(100円)
  • 海外からの外貨を銀行で受けたい → 楽天銀行 個人ビジネス口座(受取2,450円)
  • 書類が開業届しかない → PayPay銀行(開業届の控えが要件に明記)
  • 法人化済み/これから法人成り → ラクスルバンク(個人事業主は開設不可)

選べない2つも押さえておいてください。 ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)は屋号名義の口座を作れません。 ラクスルバンクは法人限定です。

本記事の料金・条件は2026年9月13日に各社の公式サイトで確認したものです。 手数料やキャンペーンは改定されることがあるため、申込前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。

この記事を書いた人

カイ — ネット物販の事業インフラ(住所・許可・口座・決済)を実際に自分で契約・申請し、その手順と所要日数を記録しています。