この記事でわかること
- 銀行11先の公式ページに「バーチャルオフィス不可」と書いてあるか、逐語で確認した結果
- 各行が登記事項証明書とは別に求めている「事業の実体を示す書類」の型
- 審査が厳しくなった理由が、どの法令・どの行政要請に書かれているか
- バーチャルオフィス各社の「実績」「保証」「紹介」が、それぞれ何を指しているか
- 断られたあとに取れる選択肢と、その根拠になる各行の記載
バーチャルオフィスの住所で法人登記をした。あるいは、これからする。 そこで決まって出てくるのが「その住所で法人口座は作れるのか」という不安です。検索すると「作れる」「作れない」「実績多数」が入り混じって出てきますが、どれも根拠が書かれていないので、読むほど分からなくなります。
結論から言うと、2026年9月14日に確認した範囲で、銀行11先のうち「バーチャルオフィスの住所は不可」と公式に書いている先は1つもありませんでした。ただし信用金庫1庫だけは、「レンタルオフィス・シェアオフィス等の場合はお断りさせていただく場合があります」と公式PDFに明記しています。 そのうえで各行が共通して求めているのは、登記事項証明書とは別の「事業の実体を第三者の書類で示すもの」です。審査の中身は住所ではなく、大半はそこにあります。
法人登記そのものの条件(登記に使えるプラン、解約時の移転登記)はバーチャルオフィスで法人登記|10社比較で整理しています。本記事は、その次の段階である口座開設だけを扱います。
この記事の調べ方
「この銀行なら通る」という順位づけは、根拠なしにはしません。各行の審査基準は公開されていないからです(楽天銀行は「詳細については公開しておりません」と明記しています)。
そこでこの記事は、銀行11行の公式ページと金融庁の通達を同じ日に突き合わせるという方法をとりました。
- 犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下、犯罪収益移転防止法)の第4条と施行規則第10条の現行条文を、e-Gov法令検索のAPIで取得して読んだ
- 金融庁の要請文(平成25年9月3日)と、金融庁・警察庁の連名要請(令和6年8月23日)を原文で読んだ
- 銀行11先(ネット銀行4・都市銀行3・りそな・ゆうちょ・信用金庫2)の公式「必要書類」ページを2026年9月14日に取得し、「バーチャルオフィス」「レンタルオフィス」「シェアオフィス」への言及の有無を全文検索した(りそなは申込フォームの生HTML、東京三協信用金庫はPDFの本文を対象にした)
- バーチャルオフィス10社(レゾナンス・バーチャルオフィス1・GMOオフィスサポート・Karigo・DMMバーチャルオフィス・京都朱雀スタジオ・ワンストップビジネスセンター・NAWABARI・METSオフィス・ユナイテッドオフィス)の口座開設に関する記載を生HTMLで取得し、本文・画像のalt属性・CSSクラス名のどこに何が書かれているかを分けて記録した(前半6社は2026年9月14日、後半4社は2026年9月15日に確認)
- 確認できなかった項目は、推測せず「公式に記載なし」「確認できず」と書いた
このバーチャルオフィス10社のうち、レゾナンス・バーチャルオフィス1・METSオフィス・Karigo・京都朱雀スタジオ(0円バーチャルオフィス)は当サイトが報酬を受け取る提携先です(2026年9月15日時点)。該当箇所のリンクは広告リンクで、残る5社および記事中の銀行11先とは提携していません。断られた場合の選択肢として挙げるアントレサロン(レンタルオフィス)も提携先です。提携の有無で書き方は変えていません。
結論:バーチャルオフィスの住所より「事業の実体を示す第三者の書類」が見られる
結論
法令が求める最低ラインは登記事項証明書1通です。そのうえで各行が追加で見ているのは住所ではなく、第三者が関与した事業の書類(他社発行の請求書、締結済みの契約書、許認可証)でした。11先のうち「バーチャルオフィス」の語で不可としていた銀行はゼロ、ただし信用金庫1庫が同種の住所形態を名指ししています。
先に全体像を1枚にします。
| 論点 | 公式資料で確認できたこと |
|---|---|
| 銀行が確認しなければならない事項 | 名称と本店所在地/取引目的/事業の内容/実質的支配者の4点(犯罪収益移転防止法第4条第1項) |
| 法令上「事業の内容」を確認する書類 | 定款、登記事項証明書など4種のいずれか(施行規則第10条第2号)。金融庁は「いずれかが確認できれば足りるとするなど、顧客の利便性にも配慮」を要請(平成25年) |
| それでも各行が追加で求めているもの | 契約書・他社発行の請求書・許認可証・ホームページなど「現在、実際に事業活動が行われていること」を示す書類 |
| なぜ追加で求めるのか | 金融庁・警察庁が令和6年8月に「口座開設時審査における、より厳格な実態・利用目的の確認」を全預金取扱金融機関に要請 |
| 「バーチャルオフィス不可」と明記した銀行 | 確認した11先のうち銀行では見つからず。GMOあおぞらネット銀行は「開設できます」と明記。楽天銀行・PayPay銀行はバーチャルオフィス利用時の追加書類・住所の扱いを明記 |
| 「断る場合がある」と明記していた先 | 東京三協信用金庫のPDFに「レンタルオフィス・シェアオフィス等の場合はお断りさせていただく場合があります」。「バーチャルオフィス」の語ではないが、11先の中で同種の住所形態を名指ししていたのはこの1庫だけ(2026年9月14日・当サイト調べ) |
| 各社の「開設実績」の意味 | レゾナンス・GMO・DMMは「会員宛に銀行からの郵便物が届いている」ことを実績と定義。開設を約束するものではないと各社自身が明記 |
つまり、読者が準備すべきなのは「住所の説明」ではなく、第三者が関与した事業の証拠です。ここから先は、その根拠を順に示します。
なぜ審査が厳しいのか:法令と行政要請を原文で確認する
結論
厳しさの出どころは住所ではありません。犯罪収益移転防止法第4条が4つの確認事項を義務づけ、そのうえで金融庁と警察庁が令和6年8月に「より厳格な実態・利用目的の確認」を全預金取扱金融機関に要請しています。銀行が上積みしているのは、この要請への対応です。
3層目:郵便物を受け取れる体制
転送不要の簡易書留を、登録した法人住所で受け取れること
ネット銀行4行が明記。受け取れないと口座が使えない
2層目:各行が追加で求める「事業の実体」の書類
他社発行の請求書、締結済みの契約書、許認可証、条件を満たすホームページ
金融庁・警察庁の令和6年8月23日要請を背景に各行が上積みしている部分
1層目:法令上の最低ライン
定款・登記事項証明書など4種のいずれか1通(施行規則第10条第2号)
金融庁は平成25年に「いずれかが確認できれば足りるとするなど」配慮を要請
銀行が口座開設時に行う確認は、銀行の裁量ではなく法律上の義務です。 e-Gov法令検索で2026年9月14日に取得した現行条文の第4条第1項は、確認事項を次のように定めています。
一 本人特定事項(……法人にあっては名称及び本店又は主たる事務所の所在地をいう。以下同じ。) 二 取引を行う目的 三 当該顧客等が自然人である場合にあっては職業、当該顧客等が法人である場合にあっては事業の内容 四 当該顧客等が法人である場合において、その事業経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして主務省令で定める者があるときにあっては、その者の本人特定事項
出典: 犯罪による収益の移転防止に関する法律(e-Gov法令検索) 第4条第1項(2026年9月14日確認)
バーチャルオフィスの事業者自身も、同じ法律で「特定事業者」に位置づけられています。そちら側の審査はバーチャルオフィスの審査|落ちる理由と書類で扱っています。
このうち第三号「事業の内容」の確認方法は、施行規則第10条第2号が定めています。法人の顧客については、次の書類のいずれか(またはその写し)を確認する方法です。
| 区分 | 施行規則第10条第2号の書類 |
|---|---|
| イ | 定款 |
| ロ | 法令の規定により当該法人が作成することとされている書類で、事業の内容の記載があるもの |
| ハ | 設立の登記に係る登記事項証明書 |
| ニ | 官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに類するもので、事業の内容の記載があるもの |
ハとニ(有効期限のないもの)は、確認する日の前6か月以内に作成されたものに限るとされています。
出典: 犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則(e-Gov法令検索) 第10条(2026年9月14日確認)
金融庁監督局長は平成25年9月3日、関係金融業界団体等に要請文を出しています。
犯収法第4条第2項に規定されている一定の場合には追加の確認を行うなど必要な対応が求められるところですが、そのような事情が認められない場合には、同条第1項及び主務省令で規定されている書類のいずれかが確認できれば足りるとするなど、顧客の利便性にも配慮した適切な対応を行っていただきますよう、周知徹底方よろしくお取り計らい願います。
出典: 金融庁「法人口座開設に係る取引時確認について」(平成25年9月3日)(2026年9月14日確認)
全国銀行協会の案内にも、法人の「事業内容」の確認書類として「登記事項証明書」「定款 等」が挙げられ、「同法にもとづき登記事項証明書をお持ちになる場合、確認事項は複数ありますが、1通のみで結構です」と書かれています。一方で同じ表に、こうも書かれています。
※2 事業内容等の確認のため、同法で定められた書類(上記)以外の書類のご提示をお願いすることがあります。
出典: 全国銀行協会「犯罪による収益の移転防止に関する法律の改正に伴うお取引時の確認について」(2026年9月14日確認)
法令上の最低ラインは登記事項証明書1通。しかし銀行はそれ以外の書類を求めることがある。この「それ以外の書類」が、実務で審査の分かれ目になっています。
背景がもう1つあります。金融庁と警察庁は令和6年8月23日、「法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について」を要請しました。概要資料には、こう書かれています。
SNS型投資・ロマンス詐欺の急増、法人口座を悪用した事案の発生等を受け、預貯金口座を通じて行われる金融犯罪への対策は急務
要請項目の1つ目が「口座開設時における不正利用防止及び実態把握の強化」です。具体策として、次の記述があります。
疑わしい取引の届出や警察からの凍結依頼対象等、口座の不正利用リスクが高い顧客の属性・傾向の調査・分析、これらの特徴に合致する顧客の口座開設時審査における、より厳格な実態・利用目的の確認
出典: 金融庁「法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について」(令和6年8月23日)/概要PDF(2026年9月14日確認)
三菱UFJ銀行の法人口座開設ページにも「当局から各金融機関への指導」を理由に事業内容を尋ねる旨が書かれており、さがみ信用金庫や東京三協信用金庫のページも「法人口座を悪用した詐欺被害」を冒頭に置いています。審査が厳しいのは、バーチャルオフィスが嫌われているからではなく、法人口座そのものが不正利用の標的になっているからです。
一次情報テーブル:11先の公式「必要書類」を同じ日に確認した
2026年9月14日に各行の公式ページを取得し、次の4点を確認しました。「バーチャルオフィス」という語が公式ページに出てくるか。事業の実体を示す書類を求めているか。申込の形式と所要日数。郵便物の受取条件。審査基準そのものは、どの銀行も公開していません。以下は「求めている書類と、公式に書かれている条件」だけです。
ネット銀行4行
| 銀行 | 「バーチャルオフィス」への公式の言及 | 事業の実体を示す書類 | 申込形式・所要日数(公式記載) | 郵便物の受取条件 |
|---|---|---|---|---|
| GMOあおぞらネット銀行 | 法人口座FAQに「バーチャルオフィス・レンタルオフィスを法人の登記住所としている場合でも、GMOあおぞらネット銀行の法人口座を開設できます。」(郵便物の受取条件は右列)。別のサポートFAQ(2025年8月1日更新)には転送サービス利用中でも開設できる旨の記載 | 「事業内容確認書類」を1点以上(最大10点)。許認可証、締結済み契約書、ホームページ、他社発行の請求書、自社発行の請求書+入出金明細、会社案内など | Web完結。取引責任者=代表者で、マイナンバーカード読取の本人確認なら「最短即日」(休業日を除く)。AI面談は任意 | 法人の登録住所宛と取引責任者宛の両方に転送不要の簡易書留。「両方の書面を受け取りできない場合は、口座開設手続きが完了せず口座をご利用いただけない場合がございます」。第三者受取に伴うリスクは顧客の責任と明記 |
| ドコモSMTBネット銀行(旧 住信SBIネット銀行) | 「バーチャルオフィス連携サービス」のページを設置し、提携事業者を紹介。口座開設の可否をバーチャルオフィス利用者向けに明記した文言は確認できず | オンライン申込では登記簿謄本・印鑑証明書・代表者本人確認書類の郵送が不要。事業内容確認書類の一覧ページは確認できず | オンライン申込で「最短翌日」。郵送申込は書類審査5営業日 | カードは法人住所宛に転送不要の簡易書留で4〜5営業日後。「審査の過程で、ご登録の電話番号やメールアドレス宛てにご連絡する場合があります。ご連絡が取れない場合、口座開設が見合わせとなることがあります。」 |
| PayPay銀行 | 必要書類ページに「キャッシュカード等は法人の現住所に簡易書留(転送不要)でお送りします。移転やバーチャルオフィス利用などにより、転送届を出していても、受け取れません。」登記住所と受取住所が異なる場合は「法人現住所」を別途入力し、法人の補助資料が必要 | 「事業内容の確認資料」1点が必須。「他の資料(履歴事項全部証明書など)で代用することはできません。なお、資料が提出できないお客さまは口座開設できません。法人を設立したばかりもお客さまも同様です。」 | Web完結。「最短当日で口座開設可能」。1法人につき1口座 | 法人の現住所に転送不要の簡易書留。転送届を出している住所は現住所として登録できない |
| 楽天銀行 | 必要書類ページに「※主たる事務所としてバーチャルオフィス・レンタルオフィスをご利用の場合は上記資料の提出が必要となります。」(上記資料=事業実態が確認できる書類) | 「事業実態が確認できる書類」1点が提出必須(許認可、貴社宛の発注書・納品書・請求書、本業に関わる契約書、取扱商品確認資料)。ホームページがあっても設立6か月以内なら必要 | WEB申込+書類の郵送。「スマートフォンから法人ビシネス口座の申込はできません。パソコンから」と明記。所要日数は公式に記載なし。「口座開設時の審査には、楽天銀行で定めた一定の審査基準がございますが、詳細については公開しておりません」(注意事項ページ) | 連絡先住所宛と担当者自宅宛の2通の転送不要簡易書留を両方受け取る必要あり |
出典: GMOあおぞらネット銀行 法人口座開設をご検討の方のよくあるご質問(FAQ)/法人口座ご利用までの流れ/事業内容確認書類について、ドコモSMTBネット銀行 法人口座開設の流れ/バーチャルオフィス連携サービス、PayPay銀行 口座開設に必要な書類(法人)/業務内容が確認できるホームページとは、楽天銀行 法人ビジネス口座 必要書類/口座開設に関する注意事項(いずれも2026年9月14日確認)
都市銀行3行・りそな銀行・ゆうちょ銀行
| 銀行 | 「バーチャルオフィス」への公式の言及 | 事業の実体を示す書類 | 申込形式・所要日数(公式記載) |
|---|---|---|---|
| 三井住友銀行(Trunk) | 確認できず | 「事業内容が確認できる書類」1点が全員必須(6か月以内)。締結済み契約書、他社発行の請求書等、自社発行の請求書等、売上・仕入・活動状況が客観的に分かる書類。設立間もない場合に限り事業計画書も可。受付できない書類として「履歴事項全部証明書(登記簿謄本)、定款、……公共料金請求書、オフィスの契約書、司法書士との契約書、名刺・ホームページ作成の請求書など」を明記 | オンライン完結、Web面談あり。「最短で即日に開設が可能」「お申込みはオンライン完結で郵送も来店も不要」。法人の印鑑証明書の原本郵送が要るのは、代表者以外が手続きする場合など一部 |
| 三菱UFJ銀行 | 確認できず | 必須は履歴事項全部証明書・法人の印鑑証明書(各6か月以内)・取引担当者の本人確認資料。許認可業種は許認可資料。「会社案内、製品カタログ、パンフレット、お取引先さま向けご提案書(資料)、見積書、仕様書等の追加のご提示をお願いすることがあります」 | WEB申込。FAQに手続きの流れとして「①申込登録 ②……必要書類のアップロード ③WEB面談 ④お客さまによる申込書類の印刷・当行宛郵送 ⑤口座開設」。所要日数はFAQに「混雑状況によりますが、申込登録から約1ヵ月~1ヵ月半程度要する場合がございます」。「ご相談内容によっては口座開設をお断りすることもございますのでご了承ください」。申込は「主たる事業所」の最寄り店舗が受け付ける |
| みずほ銀行 | 確認できず。ただしFAQ(faq.mizuhobank.co.jp)しか取得できていない。本体サイト(www.mizuhobank.co.jp)は当サイトからのアクセスが403で拒否され、2026年9月14日時点で内容を確認できていない。本体側に記載がある可能性は排除できない | ネット受付の場合、ウェブ面談までに「事業内容や事業実態が分かる資料」を「必要に応じ」提出。例として会社案内、商品パンフレット、受注書・発注書や請求書など | ネット受付→ウェブ面談。所要日数は取得できたページに記載なし |
| りそな銀行 | WEB申込フォームの「本社は以下のどれに該当しますか?」に「自己所有/間借り/賃貸/バーチャルオフィス」の選択肢がある(申込画面の生HTMLで確認) | 履歴事項全部証明書(発行後3か月以内)・実質的支配者の確認書類・本社確認書類が必須。本社で「バーチャルオフィス」を選ぶと、必要書類は「契約名義・契約プラン(契約期間・賃料等)記載の書面(利用申込書、利用承諾書等)」または同内容の「画面キャプチャ」。一方「事業内容確認書類」「事業実態確認書類」は「任意」と表示 | 条件を満たすと来店不要・原則面談なし。「面談についてはお客さまの状況に応じて実施する場合があります」 |
| ゆうちょ銀行 | 確認できず | 履歴事項全部証明書(原本)、法人の印鑑証明書(原本)、法人番号が確認できる書類、実質的支配者が確認できる書類、財務状況が確認できる書類(決算書類等)、「事業内容が分かる書類」。設立後6か月以内の法人には、さらに「主たる事務所の建物登記簿謄本(原本)」「主たる事務所の賃貸借契約書(原本)」などのうち1点が追加で必要(選択肢は複数あるため公式ページで要確認) | 来店。「審査には1か月程度を必要とします」「例年3月から6月まで申し込みが集中し、審査に2か月程度を要する場合があります」 |
出典: 三井住友銀行 法人口座(Trunk)必要書類/Trunk、三菱UFJ銀行 法人口座開設/WEB法人口座開設 FAQ、みずほ銀行 FAQ No.8653「法人口座開設時に必要な書類は何ですか。」(更新日2025年12月3日)、りそな銀行 法人口座開設/必要な書類、ゆうちょ銀行「法人口座を開設されるお客さまへ」(いずれも2026年9月14日確認)
信用金庫2庫(例)と、所要期間の実態
信用金庫は地域ごとに条件が異なるため、公式ページで手順を公開している2庫を例として載せます。
| 金庫 | 公式ページの記載 |
|---|---|
| さがみ信用金庫 | 来店申込。「必要に応じて、当金庫担当者による事務所への訪問や追加書類のご提示等をお願いする場合もございます」「口座開設のお申出をいただいてから概ね1週間から10日程度の間に、口座開設等の可否についてご連絡」「総合的判断により口座開設をお断りする場合もございます」 |
| 東京三協信用金庫 | PDF(改2025.7)の「ご留意事項」に「口座開設にあたり、渉外担当者が事業所を訪問させていただきます」「法人設立1年未満や当金庫エリア外の場合は、口座開設をお断りさせていただく場合があります」、そして「レンタルオフィス・シェアオフィス等の場合はお断りさせていただく場合があります」。審査に1〜2週間程度。「口座開設をお断りした場合であっても、原則資料のコピー(写し)はご返却いたしません」 |
出典: さがみ信用金庫「新規法人口座開設」、東京三協信用金庫「法人口座を開設されるお客さまへ」PDF(2026年9月14日確認)
この1庫だけは、住所の形態を名指ししています
東京三協信用金庫のPDF(改2025.7)に「レンタルオフィス・シェアオフィス等の場合はお断りさせていただく場合があります」とあります。同金庫は「法人設立1年未満や当金庫エリア外の場合」も断る場合の例に挙げ、断った場合でも資料の写しは返却しないとしています。バーチャルオフィスが「等」に含まれるかは、公式PDFからは読み取れません。同金庫への確認が必要です。
信用金庫にとって重いのは「事務所への訪問」が公式手順に入っている点です。訪問先に事業の実体がなければ、説明が難しくなります。この2庫の記載が他の信用金庫すべてに当てはまるわけではありませんが、「信用金庫は訪問と対面が前提になりやすい」ことは押さえておいてください。
所要期間の公式表記を並べると、さがみ信用金庫「1週間から10日程度」、東京三協信用金庫「1〜2週間程度」、ゆうちょ銀行「1か月程度」(3〜6月は2か月程度)、三菱UFJ銀行「約1ヵ月~1ヵ月半程度」です。Web完結のGMOあおぞら・三井住友(Trunk)・PayPay(最短即日/最短当日)、ドコモSMTB(最短翌日)とは、待たされる期間の桁が違います。
「バーチャルオフィス不可」と明記した銀行はあったか
確認した11先の公式ページを全文検索した結果は、次のとおりです。
| 分類 | 銀行 |
|---|---|
| 「開設できます」と明記 | GMOあおぞらネット銀行 |
| バーチャルオフィス利用時の追加書類・住所の扱いを明記(可否は書かず) | 楽天銀行、PayPay銀行 |
| 申込フォームに「バーチャルオフィス」の選択肢がある | りそな銀行 |
| バーチャルオフィス向けの提携ページを設置(可否の文言なし) | ドコモSMTBネット銀行 |
| 公式ページに「バーチャルオフィス」の語が見当たらない | 三井住友、三菱UFJ、みずほ(FAQ)、ゆうちょ、さがみ信用金庫 |
| 同種の住所形態を名指しして「お断りする場合がある」と明記 | 東京三協信用金庫(「レンタルオフィス・シェアオフィス等の場合はお断りさせていただく場合があります」) |
| 「バーチャルオフィス」という語で「不可」と明記 | 見つからず |
「バーチャルオフィス」という語で一律不可としている先は、11先の中にありませんでした。しかし東京三協信用金庫だけは、「レンタルオフィス・シェアオフィス等」という同種の住所形態を名指しして、断る場合があるとPDFに書いています。少なくとも「どこも断らない」ではないというのが、11先を読んだ結論です。また「不可」の記載がないことは、審査に通ることを意味しません。各行が「総合的判断」「お断りする場合がある」と書いている以上、結果は個別です。
審査で見られる観点を、各行の「必要書類」から逆算する
結論
共通していたのは「現在、実際に事業活動が行われていること」を第三者の書類で示させるという点です。自社だけで作れる書類(会社概要・事業計画書)は、それ単独では足りないと複数行が書いています。固定電話は必須条件ではなく、住所を裏づける書類の選択肢の1つでした。
GMOあおぞらネット銀行の「事業内容確認書類について」は、確認事項をこう書いています。
現在、実際に事業活動が行われていること 第三者の関与(捺印や入出金の履歴、商品・サービスに関する口コミ、メールやり取りの履歴など)が書類上に記載されていると、確認がしやすくなります。 事業内容を自社作成で完結する書類(会社概要、事業計画書など)でご提示いただく場合は、上記の第三者の関与が分かる追加書類をご提出ください。
三井住友銀行も「お客さまと他社の取引が分かる書類をご提出いただくと、確認がしやすくなります」と書き、受付できない書類として登記簿謄本・定款・オフィスの契約書を挙げています。
| 書類の型 | 各行の扱い |
|---|---|
| 他社が発行した請求書・発注書・納品書 | GMOあおぞら・三井住友・楽天・PayPay・みずほが例示。「貴社宛のもの」(楽天) |
| 締結済みの契約書 | 同上。GMOあおぞらは「全ページが揃っている」「締結の署名、印影がある」を条件に |
| 自社発行の請求書 | GMOあおぞら・PayPayは「その入出金が確認できる口座明細」とセットで可。「自社発行の書類は客観性に欠ける」(GMOあおぞら) |
| 許認可証 | 許認可業種は各行で必須。古物商許可はGMOあおぞらの例示に「リサイクル業者、中古品売買業者」として登場。PayPayは古物許可証提出時に「その他の事業内容の確認資料」も要求 |
| 事業計画書 | 三井住友は「設立間もないお客さまで、上記書類が提出できない場合に限り」可。PayPayの列挙には事業計画書がない |
ネットで中古品を売る読者なら、古物商許可は「許認可証」として複数の銀行が明示的に受け付ける書類です。ただしPayPay銀行のように、古物許可証だけでは足りず取引の書類をあわせて求める行もあります。
PayPay銀行は「業務内容が確認できるホームページ」の条件を独立したページで定めています。Yahoo!ショッピング・Amazon・楽天市場などのURLも対象ですが、「特定の無料Webサービスで作成されたホームページは対象外」(wixsite.com、wordpress.comが例)とし、会社概要(法人名、所在地、連絡先、代表者・役員の本名)・事業内容・運営状況・特定商取引法に基づく記載を確認するとしています。「準備中のホームページ」「日本語以外の表記」は確認できないパターンです。GMOあおぞらネット銀行は「集客目的での運営実績が3カ月以上ある」を条件にし、無料サービス作成や名刺代わりのものは追加書類が必要としています。楽天銀行は、ホームページがあっても設立6か月以内なら事業実態書類が必要です。ネットショップの住所表記をどうするかは特定商取引法の住所|個人が非公開にできる条件で扱っています。
「固定電話がないと口座が作れない」という話をよく見ますが、確認した公式ページで固定電話が登場するのは、PayPay銀行が法人の補助資料として挙げる公共料金の領収書「電話(固定電話限定、IP電話、携帯電話・スマートフォンは不可)」と、GMOあおぞらネット銀行が本人確認書類の補完として挙げる「公共料金の領収証書(電気・ガス・水道・固定電話)」の2か所だけです。いずれも住所を裏づける書類の選択肢であって、契約を必須条件とする記載ではありません。
ところが、そう断定しているのは銀行ではなくバーチャルオフィス事業者のほうでした。
- ワンストップビジネスセンター:プランページのプラン選びの案内に「新規法人を設立したい」→「ビジネスプランがおすすめです。固定電話がないと銀行の口座開設できません。」(電話番号付きプランへの誘導文の中にある)
- ユナイテッドオフィス:プランページに「※法人で銀行口座開設には、固定電話の記載が必要な場合がございます。」
この2つは、銀行の記載ではありません
「固定電話がないと銀行の口座開設できません」と断定しているのは、電話番号付きプランを売っている事業者のページです。確認した銀行11先の公式ページに、固定電話を必須条件とする記載はありませんでした。上位プランに上げる理由としてこの一文を示された場合は、申込先の銀行の必要書類ページを自分で開いて確かめてください。
出典: ワンストップビジネスセンター プラン/ユナイテッドオフィス 料金プラン(いずれも2026年9月15日確認)
ネット銀行4行はいずれも転送不要の簡易書留を送り、受け取れなければ口座は使えません。GMOあおぞらは「カードの解約や、口座の利用制限、口座解約となる場合」と明記しています。バーチャルオフィス側の受取条件も確認が必要です。
| 事業者 | 公式FAQの記載(2026年9月14日確認) |
|---|---|
| レゾナンス | 「受け取り可能です。追跡記録のついている郵便物ですので、ご到着時に300円の受け取り費用をデポジットから差し引きしてのお受け取りとなります。」 |
| バーチャルオフィス1 | 「開設時に届くキャッシュカード等のサインが必要な郵便物も無料で代理受け取りに対応。本人限定受取郵便の場合は不在票を受領し、LINEで連絡いたします。」 |
| Karigo | 「法人・屋号名のご契約で法人・屋号名宛てであればクレジットカード作成、銀行口座開設関連、証券口座開設関連の郵送物はお受け取り可能でございます。」 |
PayPay銀行は「転送届を出していても、受け取れません」と書いています。バーチャルオフィスの転送は郵便局の転送届とは別の仕組みですが、銀行が指定する住所で本人(または事業者)が実際に受け取れる状態にしておくことが前提です。
犯罪収益移転防止法第4条の4項目のうち、取引目的と実質的支配者は書類より申告と説明が中心です。三菱UFJ銀行は「主たる事業、また履歴事項全部証明書上、事業目的が多岐にわたる場合、その内容についてご説明をお願いします」と書いています。定款の事業目的を広く書きすぎると、説明の負担が増える。これは各行の記載から読み取れる実務上の含意です。
各社の「口座開設実績」を原文で確認する
結論
各社の言う「実績」は会員宛に銀行からの郵便物が届いたという意味で、開設件数でも通過率でもありません。「保証」は開設できずに退会する場合の返金制度、「紹介」は申込導線と事業計画書フォーマットの提供です。どれも開設を約束しないと各社自身が書いています。
バーチャルオフィス各社は「実績多数」「保証」などの言葉を使います。何を指しているのか、生HTMLを取得して確認しました(前半6社は2026年9月14日、後半4社は2026年9月15日)。
レゾナンスは「法人口座開設紹介制度」ページ(更新日2026年4月6日)で、みずほ・GMOあおぞら・ドコモSMTB・PayPayの4行を紹介先に挙げ、「口座開設につきましてはあくまで銀行の審査によりますので、ご希望に沿えない場合もございます」「事業計画書のご利用で実際の審査結果・口座開設を保証するものではありません」と注記しています。同じページのFAQ欄には「銀行は『事業の実態』『必要書類の整備』を重視しており、住所がバーチャルオフィスであること自体が理由で否決されるわけではありません。」「ホームページがなくても口座開設できますか?」→「可能です。」ともあります。ページ内には「住信SBIネット銀行」ロゴのaltがコメントアウトで残り、旧名から差し替え中と読めます。一方、サイト全体のFAQ(/faq/)は更新が追いついておらず、紹介先を「みずほ銀行、GMOあおぞらネット銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行の4社」と旧行名のまま記載しています(2026年9月14日時点)。
実績ページ(更新日2026年7月28日)は、HTMLのclass名(maru2/maru1/kaku3/batten)から次の4段階で読み取れます。◎○の「実績」は、会員宛に銀行からの郵便物が届いた、という意味です。件数でも通過率でもありません。
| 記号 | 該当する金融機関 |
|---|---|
| ◎ 郵便物が頻繁に届いている | みずほ・三菱UFJ・三井住友・ゆうちょ・GMOあおぞら・ドコモSMTB・PayPay・楽天 |
| ○ 郵便物が到着した実績がある | りそな・横浜銀行・湘南信用金庫 |
| △ 実績なし、電話では「開設できないことはない」と回答 | 新生銀行(レゾナンスの表記のまま。現商号はSBI新生銀行) |
| × 電話では「開設不可」と回答(開設できる可能性はあるとも付記) | イオン銀行・東京スター銀行・きらぼし銀行 |
この×3行についても、当サイトが公式ページで「不可」の記載を確認したわけではありません。DMMバーチャルオフィスの実績一覧は「※口座開設は銀行の審査によりますのでご希望に添えない場合がございます。」と注記し、ページ末に「※2021年12月1日時点の法人口座開設実績になります」とあります。むしろ他社と食い違います。東京スター銀行はDMMバーチャルオフィスに「バーチャルオフィスだから開設ができないということはなく、総合的に審査をしている」と回答した一方、きらぼし銀行はDMMに「バーチャルオフィスでは法人口座の開設は不可」と答えつつ、GMOオフィスサポートは自社の開設実績にきらぼし銀行を挙げています。同じ銀行について、事業者ごとに逆の内容が書かれています。電話で聞いた相手によって答えが変わるということであり、事業者の◎○△×は銀行の方針の証明にはなりません。この3行を検討するなら当該行に直接確認してください。
出典: レゾナンス 法人口座開設紹介制度/法人口座開設実績/FAQ(2026年9月14日確認)
「法人口座開設保証®」は、返ってくるのが入会金と基本料金だけです
バーチャルオフィス1の「法人口座開設保証®」(登録商標第6225089号)は、開設できずに退会する場合に入会金と基本料金を返金する制度です。「退会までの期間中に発生した郵便転送費用等は返金の対象に含まれません」「利用をお断りするケースもございます」と同社は注記しています。開設を約束する制度ではありません。なお同社は「一部の銀行ではバーチャルオフィスで登記している法人の口座は作れないとしているケースもあります」とも書いており、事業者側も断る銀行の存在を否定していません。このほか法人口座開設マニュアルの進呈、銀行提出書類の事前チェック、「賃貸借契約書に代わる利用証明書」の発行を掲げています(同社FAQ:「本サービスは賃貸借契約ではありませんので賃貸借契約は発行できません」)。なお `/houjinkouza/` のページは2026年9月14日時点でトップページへリダイレクトされ、内容はトップページに統合されています。
出典: バーチャルオフィス1/FAQ(2026年9月14日確認)
GMOオフィスサポートは、GMOあおぞら・三井住友(Trunk)を「法人銀行口座の紹介」として挙げ「※開設を保証するものではございません。」と明記。ブログでは「届く郵便物(銀行の口座開設書面)からどの銀行で開設ができているのかを調査しました」と実績の根拠を説明しており、レゾナンスと同じく実績=郵便物の到着です。銀行口座開設や融資の打ち合わせに使える「会員専用面談スペース」を一部拠点に設けています。
KarigoはFAQで「口座開設に関しましては作成される銀行、および担当者によって対応が異なりますので作成をご検討されている銀行へお問い合わせいただくことをお勧めします」と答え、実績も保証も掲げていません。この記事の整理と最も近い立場です。
0円バーチャルオフィス(京都朱雀スタジオ)のLPには「はい、可能です。これまでに会員の法人様が銀行口座開設ができなかった等の状況は発生しておりません。下記の金融機関で法人口座開設が完了しています。」とあり、金融機関名は本文になく、ロゴ画像のalt属性にのみ記載されています。確認できたaltは京都銀行、京都中央信用金庫、京都信用金庫、みずほ、三菱UFJ、三井住友、ゆうちょ、GMOあおぞら、住信SBIネット銀行(旧名のまま)、PayPayの10件で、みずほのaltは文が途中で切れていました。「できなかった状況は発生しておりません」は同社が把握している範囲の記述で、会員が銀行に断られても同社に報告するとは限らないため、当サイトはこの一文を「審査に落ちない」という意味では受け取っていません。
出典: GMOオフィスサポート サービス/ブログ、Karigo FAQ、京都朱雀スタジオ 副業・起業支援プラン LP(いずれも2026年9月14日確認)
残る4社は「口座開設実績」の専用ページを持たず、プランの機能欄や案内ページで触れています。
| 会社 | 公式に書いていること |
|---|---|
| ワンストップビジネスセンター | プランページの比較欄「法人口座開設」の行に「みずほ銀行・三井住友銀行・GMOあおぞらネット銀行と提携」。ただし全ページ共通のフッター「提携サービス」欄は5件で、上の3行に加え「住信SBIネット銀行のご紹介」「[北國銀行提携]フィンサーバンクのご紹介」が並ぶ |
| NAWABARI | 料金ページに「銀行口座紹介制度」。「三井住友銀行の新サービス『Trunk(トランク)』」「振込手数料の優遇あり!『ドコモSMTBネット銀行(旧:住信SBIネット銀行)法人口座』」を紹介先に挙げる |
| METSオフィス | トップページに「銀行口座開設実績豊富な格安バーチャルオフィス」。会社設立サポートプランに「提携銀行口座開設サポート」。開設実績(一部)として都市銀行4行・ゆうちょ・地方銀行・信用金庫・信用組合・ネットバンク各行を列挙 |
| ユナイテッドオフィス | 「バーチャルオフィス銀行口座開設」ページを設置。料金プランには「※法人で銀行口座開設には、固定電話の記載が必要な場合がございます。」と注記 |
行名の更新が追いついていないのは、レゾナンスだけではありません。ワンストップビジネスセンターのフッターとMETSオフィスの実績一覧は、いずれも「住信SBIネット銀行」を旧名のまま載せています(現・ドコモSMTBネット銀行)。京都朱雀スタジオのalt属性も旧名で、NAWABARIだけは「ドコモSMTBネット銀行(旧:住信SBIネット銀行)」と併記しています。紹介先の金融機関が決め手になるなら、その記載がいつ点検されたものかを疑ってください。
そのMETSオフィス自身が、FAQでこう書いています。
個人・法人問わず、バーチャルオフィスユーザーが確実に銀行口座開設できるようなノウハウや手法は現状存在しません。
「実績豊富」と掲げている会社が、同じページで「確実に開設できる手法は存在しない」と書いています。この記事の整理と同じ立場です。
出典: ワンストップビジネスセンター プラン/NAWABARI 料金/METSバーチャルオフィス/ユナイテッドオフィス 料金プラン(いずれも2026年9月15日確認)
| 表現 | 実際の中身 |
|---|---|
| 「開設実績あり」(レゾナンス・GMO・DMM・METS) | 会員宛に銀行の郵便物が届いた、という事業者側の観察。件数・通過率ではない。DMMの一覧は「※2021年12月1日時点の法人口座開設実績になります」と明記され、5年近く前の情報 |
| 「法人口座開設保証」(バーチャルオフィス1) | 開設できずに退会する場合の、入会金と基本料金の返金制度 |
| 「銀行紹介」「提携」(レゾナンス・GMO・ワンストップ・NAWABARI・METS) | 申込導線と事業計画書フォーマットの提供、または特定の金融機関への取り次ぎ。「銀行独自の審査」があると各社が明記 |
| 「できなかった状況は発生していない」(京都朱雀スタジオ) | 同社が把握している範囲の記述 |
各社が自ら「保証するものではない」と書いている以上、当サイトもそれ以上のことは書きません。
断られた場合の選択肢とデメリット
審査に落ちた理由は、原則として教えてもらえません。公式の記載から導ける選択肢は次の4つです。
- 別の銀行に、書類を増やして申し込む。レゾナンスも「ある金融機関で開設できなかった場合でも、別の金融機関では開設できることがあります」としています。1行目で足りなかった第三者の書類(契約書、貴社宛の請求書、許認可証)を揃えてから次に向かうのが順当です。PayPay銀行は「お持ちの書類が利用できるかわからない場合、事前にお問い合わせいただいてもご回答できません。……一度書類をご提出ください。」としており、事前確認ができない銀行がある前提で動く必要があります。
- 取引の実績ができてから出し直す。三井住友銀行が事業計画書を認めるのは「設立間もないお客さまで、上記書類が提出できない場合に限り」です。楽天銀行はホームページがあっても設立6か月以内なら事業実態書類を求め、東京三協信用金庫は「法人設立1年未満」を断る場合の例に挙げています。
- 事業の実体がある場所に住所を移す。信用金庫の一部は「事務所への訪問」を公式手順に含めます。訪問を受けられる場所が必要なら、専有スペースのあるレンタルオフィスや受付常駐のコワーキングが選択肢です(違いはバーチャルオフィスとレンタルオフィスの違い)。ドコモSMTBネット銀行の「バーチャルオフィス連携サービス」にはレゾナンス・DMM・オフィスゼロワン・アントレサロン・ワンストップ・NAWABARIが掲載されています。このうちアントレサロンは同じ申込ページでバーチャルオフィス/フリーデスク/個室の3プランを選べますが、金融機関の訪問や対面での打ち合わせが目的なら、選ぶべきは個室プラン(または作業席のあるフリーデスクプラン)です。バーチャルオフィスプランではこの問題は解決しません。資料のダウンロードだけでは契約にならず、Webの申込フォームから申し込みます。
- 時期を置く。ゆうちょ銀行は「例年3月から6月まで申し込みが集中し、審査に2か月程度を要する場合があります」としています。急ぎでなければ集中期を避けるだけで待ち時間が変わります。
着地はバーチャルオフィスプランのページです。個室・フリーデスクはページ上部の「料金プラン」から切り替えます(古物商の営業所として検討できるのは個室プランのみ)
やってはいけないこと。金融庁・警察庁の要請文は口座売買の周知を各行に求めており、GMOあおぞらネット銀行の申込ページにも「口座の売買・譲渡・譲受・貸借は犯罪です。」という表示があります。断られたからといって、他人名義の口座を使う、実体のない住所で申し込みを繰り返す、といった行為は選択肢に入りません。
デメリットも並べておきます。ネット銀行の多くは転送不要の簡易書留を送るため、受取のたびに事業者側の受取費用(レゾナンスは300円)や転送費用がかかります。信用金庫は事務所訪問を手順に含めるため説明の負担が増え、楽天・PayPay・東京三協信用金庫・りそな・ゆうちょの追加書類(上の一次情報テーブル参照)は、バーチャルオフィス側が発行できる書面かを契約前に確認しておく必要があります。「実績」「保証」「紹介」のどれも開設を約束せず、落ちたときに事業者ができるのは返金(バーチャルオフィス1の制度)か別行の案内までです。
この記事が向いていないのは、「この銀行なら通る」という断言が欲しい人(審査基準は非公開で当サイトは順位づけをしません)、融資や資金調達の話を期待している人(本記事は口座開設の要件のみ)、登記の手続きを知りたい人(法人登記の記事へ)、個人事業主の屋号付き口座を探している人(屋号付き口座おすすめ7行の比較へ)です。
申込前に揃えておくもの:各行の記載から作った一覧
期限と追加書類は、行ごとに違います
履歴事項全部証明書の有効期限はりそなだけ3か月以内で、三菱UFJ・楽天・ゆうちょ・東京三協は6か月以内です。ゆうちょは設立6か月以内の法人に建物登記簿謄本や賃貸借契約書などを追加で求めます。バーチャルオフィスの利用契約は賃貸借契約ではないため、どの書面を出せるかを事業者側に先に確認してください。
公式の必要書類を横断して、共通する準備項目をまとめました。銀行ごとの差は上の一次情報テーブルで確認してください。
| 項目 | 根拠となる各行の記載 |
|---|---|
| 履歴事項全部証明書 | 三菱UFJ・楽天・ゆうちょ・東京三協は発行から6か月以内、りそなは3か月以内。GMOあおぞら・ドコモSMTBのオンライン申込は郵送不要 |
| 法人の印鑑証明書 | 三菱UFJ・楽天(3か月以内)・ゆうちょ(6か月以内)で必須。三井住友は代表者以外が手続きする場合などに原本の郵送、PayPay・りそなも条件つき |
| 本社(登記住所)の確認書類 | りそなは必須。バーチャルオフィスを選ぶと「利用申込書、利用承諾書等」が必要。バーチャルオフィス1は賃貸借契約書の代わりに利用契約証明書を発行 |
| 取引担当者の本人確認書類 | 全行。GMOあおぞら・PayPayは顔の撮影を含む |
| 実質的支配者の確認資料または申告 | 全行(犯罪収益移転防止法第4条第1項第4号) |
| 第三者が関与した事業の書類 | GMOあおぞら・三井住友・PayPay・楽天で1点以上必須。三菱UFJ・みずほは「必要に応じ」 |
| 事業内容を説明できるホームページ(あれば) | PayPay・GMOあおぞらは条件つき。無料サービスの独自ドメインなしは対象外 |
| 転送不要の簡易書留を受け取れる体制 | ネット銀行4行が明記。バーチャルオフィス側の受取条件と費用を先に確認 |
レゾナンスは紹介制度の申込時に「銀行口座開設紹介を希望する」にチェックを入れ、初期費用の入金確認後に紹介URLと事業計画書フォーマットが届く流れです。当サイトが案内しているのは、法人登記に使える一年払いコースの週1回転送プラン/月1回転送プランです(住所貸しのみのネットショッププランは扱っていません)。紹介制度を使っても、開設の可否は銀行の審査によります。レゾナンス自身も「口座開設を保証するものではございません」と明記しています。
レゾナンスの料金プランを見る東京・横浜・大阪の12拠点(2026年10月1日に池袋店が開業予定)。月額990円〜で法人登記にも使えます
よくある質問
Q1. 口座開設に関わる税務上の扱いを知りたいです
税務に関することは、本記事では扱いません。国税庁の案内をご確認ください。
Q2. 個人事業主の屋号付き口座も同じですか
個人事業主は犯罪収益移転防止法上「自然人」として扱われ、確認方法が異なります。屋号付き口座おすすめ7行の比較で別に整理しています。
まとめ
- 銀行の確認事項は犯罪収益移転防止法第4条で決まっている。法令上の最低ラインは登記事項証明書1通だが、各行はそれ以外の「事業の実体を示す書類」を求めている
- 背景には、金融庁・警察庁の令和6年8月の要請「口座開設時審査における、より厳格な実態・利用目的の確認」がある。厳しさの理由は住所ではなく、法人口座の不正利用
- 2026年9月14日に確認した11先で「バーチャルオフィス」の語で不可とした銀行はなかった。GMOあおぞらは「可」を明記、楽天・PayPayは追加書類と住所の扱いを明記、りそなは申込フォームに選択肢がある
- ただし東京三協信用金庫だけは「レンタルオフィス・シェアオフィス等の場合はお断りさせていただく場合があります」とPDFに明記している。「どこも断らない」ではない
- 各社の「実績」は「郵便物が届いている」という意味。「保証」は返金制度(郵便転送費用は返金対象外)。「紹介」は導線。どれも開設を約束しない
- 事業者が載せる◎×は、その銀行の方針ではない。同じ銀行について事業者ごとに逆のことが書かれている例がある
- 落ちたら、第三者の書類を増やして別行へ。取引の実績が1件でもできると、出せる書類の型が変わる
制度は変わります。金融庁の要請も各行の必要書類も、記事公開から3か月経ったら再確認する前提でお読みください。
紹介制度と事業計画書フォーマットを使うなら、レゾナンスの一年払いコース(週1回転送プラン/月1回転送プラン)が対象です。
レゾナンスの料金プランを見る東京・横浜・大阪の12拠点(2026年10月1日に池袋店が開業予定)。月額990円〜で法人登記にも使えます
返金制度を優先するなら、バーチャルオフィス1の「法人口座開設保証®」です。返るのは入会金と基本料金のみで、郵便転送費用等は返金の対象外、制度の利用を断られる場合もあると同社が注記しています。適用条件を公式ページで確認してから申し込んでください。
バーチャルオフィス1の料金を見る月額880円+郵送費用。法人登記と月4回の郵便転送が基本料金に含まれます
筆者について
カイと申します。ネットで物を売る個人のための実務メディア「海外売る」を運営しています。住所・許可・口座・決済といった事業インフラを自分で契約・申請し、その手順と所要日数を記録しています。記事では、公式サイト・法令・行政資料にあたって確認した事実と、確認できなかったことを分けて書くようにしています。
お問い合わせ: info@kaigai-uru.com
参考・出典
すべて2026年9月14日に取得・確認しました(一部2026年9月15日、注記あり)。引用文は原文と一致することを確認しています。個別ページのURLと確認日は、各節末の「出典:」に記載しています。
法令・行政資料(e-Gov法令検索、金融庁、全国銀行協会)
- 犯罪による収益の移転防止に関する法律/同施行規則(第10条第2号、第11条)
- 金融庁「法人口座開設に係る取引時確認について」(平成25年9月3日)
- 金融庁「法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について」(令和6年8月23日)
- 全国銀行協会「犯罪による収益の移転防止に関する法律の改正に伴うお取引時の確認について」/よくある質問・回答
銀行公式サイト(法人口座・必要書類ページ)
- GMOあおぞらネット銀行、ドコモSMTBネット銀行、PayPay銀行 必要書類/事業内容の確認資料について/法人口座の申込、楽天銀行、三井住友銀行(Trunk)、三菱UFJ銀行、みずほ銀行FAQ、りそな銀行、ゆうちょ銀行、さがみ信用金庫、東京三協信用金庫PDF
バーチャルオフィス各社
- レゾナンス、バーチャルオフィス1、GMOオフィスサポート、Karigo、京都朱雀スタジオ、DMMバーチャルオフィス、ワンストップビジネスセンター、NAWABARI、METSバーチャルオフィス、ユナイテッドオフィス
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